発達障害の当事者は目標達成が難しかったり、
周囲の人からの評価や態度に傷ついてしまうことが少なくありません。
その結果、健常者の人よりも自己肯定感が低下しやすく、
チャレンジしにくくなってしまいがち。
当事者でもある筆者には、その気持ち痛いほどよく分かります。
ですが、発達障害は脳のクセとも言われるように
一般的な人に比べて得意・不得意なことの差が大きいというだけで、
得意なことに関しては、無限の可能性があるのではないでしょうか。
心を病んで、せっかくの才能を活かせずにいてはもったいない!
そんな思いから今回は当事者あるいはその関係者の方に、
ADHDの強みをご紹介していきます。
圧倒的な集中力
ADHDの特徴の一つに過集中というものがあります。
興味のないことに関しては、集中して作業に取り組むことがとても難しいです。
その一因として、周囲のさまざまな刺激に対して反応してしまうため、
注意が散漫になりやすいことが挙げられます。
その一方で、自分の関心のあることに対しては、
並大抵ではない集中力を発揮します。
またそうした集中力を発揮するためには、環境を整えることも重要です。
取り組むべき作業以外になるべく刺激が入らない環境を用意することで、
注意が逸れることを防ぎやすくなります。
筆者の大学時代はこれで乗り越えました。
自分の好きなテーマの研究テーマを選択したことで、
他の学生が飲みに出かけたり、サークル活動をして
大学生らしさを謳歌している間、
早朝から登校して空き教室にこもっては
研究テーマに関する論文のレビューや関連動画などを調べまくり、
あっという間に8時間経過していたなんてことが日常茶飯事でした。
ぜひご自身の関心や興味を特定して、
そこに注意を注ぐことが求められる環境を探して見てください。
行動力の強さ
特性の一つに「衝動性」というものがあります。
思ったことをすぐに口に出してしまうなど、
思いつきで行動して周囲から批判されることも少なくありません。
本人に悪気はないのですが・・・
ですが、そんな衝動性は行動力に結び付きます。
この特性ゆえに、興味関心が次から次へと移りやすいのですが、
後先考えて躊躇して結局行動できずに後悔。。。
なんてことが起こりにくいのです。
もちろん、行動した分、失敗するリスクが増えるのは当然のこと。
ですが、経験値という面に関しては圧倒的に有利なのです。
クリエイティブな発想
ADHDの特性の一つである「多動」は、
実際に目に見える形として現れるとは限りません。
多動のイメージとしては、教室の中を走り回ったり、じっとしていることができない
といったものが多いでしょう。
ですが、頭の中が多動というタイプも存在します。
筆者はまさしく頭の中が多動なタイプ。
本を読んでいるときも、映画を見ている時も、あるいは人と話している時でさえ
頭の中では常に同時並行でさまざまな映像が展開されています。
「集中すべきことに集中できない!」なんて悩んだ時期もありましたが、
裏を返せば努力なしでアイデアがわんさか湧き上がっている状態。
言い換えれば、想像力が極めて豊かと言えるのではないでしょうか。
まとめ
今回はADHDの特性と強みをご紹介してきました。
ADHDの特性は、扱い方次第で自分を苦しめる障害にも、自分の人生を豊かにする宝にもなります。
その特性は、当事者自身を作っている個性です。
自信を持って、ご自身の能力を発揮できる環境を探してみてください。
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