生き物にはその他大勢とは異なる特徴を持つ個体が存在しています。
そして「特異性」が当事者の生活の上での障壁になる原因になる場合、
それを障害と呼びます。
従来まで、障害は本人の問題として見られてきましたが、
当事者を取り巻く社会が障害を作っているのではないかという問いを立てた学問があります。
それが障害学(Disability Study)です。
今回はそんな障害学について紹介していきます。
障害学とは?
これまで障害は心理学や医学の領域で研究されてきました。
これまで障害は、医学的な治療対象とされ、社会福祉の受益者として扱われてきました。
その一方で、障害学は障害を社会の側面から研究しています。
ここでは、障害を個人が持つ特性の一つにしか過ぎないものとみなしています。
ですが、その特性を受け入れる環境が社会に整備されていないがゆえに、
特性を持つ人々は社会の周縁部に追いやられ、抑圧されてしまうというように考えています。
障害学は特性を持つ本人ではなく、社会の方をどう構築していくべきなのかを問う学問といえます。
障害学の発祥は?
1980年代にイギリスとアメリカで誕生しました。
障害学のアプローチとテーマは?
障害学の主なアプローチとテーマは様々です。
例えば、障害を個人の身体的な問題だけではなく、社会がどのように構築して、障害者を排除しているかに焦点を当てる「社会モデル」。
生涯の歴史的な扱いや文化的な表現を研究し、障害者がどのように描かれてきたかを探る「歴史と文化」。
障害学を学べる大学は?
日本ではあまり障害学という学問自体、耳にしたことは少ないでしょう。
一方で海外では障害学を研究することのできる大学がいくつか存在しています。
特にイギリスでは障害学に関する研究が盛んに行われています。
以下がその一例です。
・ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ(UCL)
・リーズ大学
・シラキュース大学
やはり障害学発祥の国ということもあり、
イギリス、アメリカの大学での研究が進んでいるようですね。
まとめ
今回は障害学についてざっくり解説していきました。
障害を本人の問題としてではなく、
本人を取り囲む側が作り出しているという視点は新しいですね。
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