一度は耳にしたことがある特別支援教育。
普通の学校に通うことが困難な子供たちが通う学校だけど
実際にどんなことをしているのかはよくわからないという方が
多いのではないでしょうか。
今回は、特別支援教育とは何か、
そしてよく混在される特別支援学校と学級の違いについて解説していきます。
特別支援教育の定義
文部科学省によれば
特別支援教育は、障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行うものです。
文部科学省|特別支援教育
つまり学習において心身の問題から課題を抱える子どもたちが、
自分の持っている能力を発揮しつつ、
必要なサポートを受けて必要な能力を伸ばしていく場所といえるでしょう。
そのために、それぞれの分野における専門家たちが協力して
子どもたちをサポートしていきます。
特別支援学級と特別支援学校の違いは?
似たような言葉で特別支援学校と特別支援学級があります。
この違いはズバリ、それ自体が独立しているか否かの違いです。
詳しく説明すると、
特別支援学校は障害を抱える児童が通う学校として独立しています。
一方で特別支援学級は通常の学校の中に設置されています。
通常の学校に通う子どもたちの中で何かしらの障害を抱える子どもたちが
教育上のサポートを受けながら学習する場所です。
通常のクラスに通いつつ、特定の時間だけ特別支援学級を利用する児童や
常に利用する児童など様々です。
教員と生徒の比率
特別支援学級と特別支援学校の違いの一つは1クラスあたりの生徒数と教員数の比率です。
学級では1クラスあたり教員2名、生徒8名程度。
学校では教員2名に対して生徒が4-5名程度。
つまり学校の方が生徒1人に対して教員が多くつくと言えます。
ですがこれはあくまで参考で、
実際には地域や学校によって人数は異なります。
学校生活の違いは?
特別支援学校は支援の範囲が広いことが特徴の一つとして挙げられます。
例えば、食事や着替えなども生活を送る上で必要な支援ならば
サポートの対象になります。
その一方で特別支援学級では学業面での困難さを抱える児童を
学習面からサポートしていきます。
そのため、体育や図工などの授業では健常者の児童と共に
同じクラスを受けることもあります。
自分とは異なる児童と関わる機会を持つということは
その児童が様々な人と関わることで
自分の視野を広げるという点においてメリットがあります。
対象の障害の違いは?
厚生労働省によれば、
特別支援学校
視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者及び病弱者(身体虚弱者を含む。)を対象としている。幼稚部、小学部、中学部及び高等部が置かれる。
特別支援学級
障害のある児童生徒のために小・中学校に置かれる学級であり、知的障害、肢体 不自由、病弱・身体虚弱、弱視、難聴、言語障害、自閉症・情緒障害の学級がある。
厚生労働省|特別支援教育の概要
支援の対象者に関しては大きな差はないようです。
ただ、特別支援学校は幼稚園から高校まで存在しているのに対し、
特別支援学級は小学校、中学校のみの設置という点が異なります。
まとめ
特別支援教育、そして学校と学級の違いについて解説しました。
一緒くたにされがちな学校と学級ですが、
サポートの範囲を始め、
当事者児童と健常者児童との関わりなど環境面での違いもあります。
どんな環境がベストなのかは個々人で異なります。
本人の特性をしっかりと考慮し、本人の意見を尊重しつつ
環境を選択することが重要です。
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